(日本語) 【アートスペース】共鳴 Empathy ―我々がこの世に存在する理由― 王梓默作品展
One Way Street Tokyo 東京都中央区銀座1丁目6−1, 東京, Japan【アートスペース】 共鳴 Empathy ―我々がこの世に存在する理由― 王梓默作品展 【展示情報】 2025.11.30-12.06 作者:王梓默(オウ・シモク) 場所:東京都中央区銀座1-6-1 単向街書店 無料入場 【アーティスト】 王梓默(オウ・シモク) 文星芸術大学修士課程修了、同大学博士課程在学中 【作者からのメッセージ】 私は幼少期に祖父の死を経験したことが、生と死に対する意識を強くし、私の絵画表現の出発点となった。大学以来、個人史をもとに死生観を主題に制作を続け、博士前期課程ではそれを深化させてきた。後期課程では、より社会的・普遍的な視点から現代の死生観を探り、絵画を通してその象徴的な表現を試みたい。 とくに影響を受けた作家が、ジョージア・オキーフとジャクソン・ポロックである。オキーフの作品には、死の静けさと生の鮮やかさが共存し、死を恐れず美へと昇華する力がある。ポロックのアクション・ペインティングは、生命の躍動そのもので、制作行為自体が生と死の循環を示している。両者の表現は対照的ながらも、「存在の根源」を追求している点で共通する。 私はポロックの技法を研究し、アクリルの流動性を活かした独自の表現を模索してきた。今後は風の力を利用した絵具の制御や、陶土など自然素材を用いた表現に取り組み、偶然と意図のあいだに新たな造形を見出したい。 現代社会では感染症や戦争によって死が身近になり、死生観の再構築が求められている。私はアクション・ペインティングを通じて人々の心に訴える作品を制作し、芸術の共感と記録の力を再確認したいと考えている。 なぜ私は白水晶のクラスターを作品素材の一部として用いたのか。 水晶自体は決して珍しいものではないが、それはあたかも大地から生まれ出るエネルギー体のごとく、きらびやかで多彩である。その“生成され、伸びていく”ような姿に、私は生命の成長の美しさを感じた。 さらに、水晶クラスターはしばしば「集合」と「個」の関係性を暗示する。これは、私が表現したい「人それぞれが生命や生死について異なる見解を持つ」という理念にも通じるものである。 今回皆様に展示するテーマは「共鳴」である。では、何についての共鳴なのか。 私が大学で研究していたのは「生死観」である。老人ホームへ取材に行き、入居者たちと共に絵を描き、語らい、また、最期の時を迎えつつある人々とも交流を重ねた。さらに、様々な背景を持つ多くの人々と、生と死に関する問題について議論を深めてきた。 総じて言えば、それは「自分が人として生きていることをどう捉えるか」、すなわち人生観そのものなのである。人はそれぞれの経験に基づいて異なる考えを持ち、その違いの大きさに私は深く心を動かされた。私の絵を見る人々には、単に私との共感に留まらず、自分自身とも深く向き合い、私たちがなぜ存在するのか、自分は何のために存在するのか、そして生命の最期にどのように存在し終えるのかを真摯に思索してほしい。死は人生の終着点ではなく、忘却されることこそが真の終焉であると信じるからだ。 【一部作品】